top of page

Statement 批評塾を始めるにあたり。 

推カケ☆批評塾 代表:平松隆之

 

 「視点」「目線」などを出してそれを心の片隅に起きつつ、鑑賞することから始めたいと思います。一人でいきなり文を書くではなく、批評的目線で意見交換をしてそこから1つ書き上げていく、そしてそれを読みあう、みたいなことで始められたらと思います。

 

 いいお芝居をみたときは感情がわーっと湧くんですけど、すぐ忘れちゃうんですよね。あと、上演のレベルは高いけど自分ではうーん、みたいなときに、人と話をしていると色々気付くことがあって、いきなり劇評を書く、と言うより、何かの目線(批評的視点)から作品を見ることで世界を広げたい、と言うのが動機の中にあります。1つ目は、探偵のようになってまだ本人も気付いてないような真理を発見したい。2つ目は、作品の善し悪しを判断するのではなく、批評家が問いかけることによって、作品の別の見方を提示する、もしくはみんな○○って思ってこの話を見てるけどホントは××だよ、と作品から社会や常識、既存の価値観に対して揺さぶりをかける。3つ目は、プライベート演劇とそこには収まらない演劇を分けたいと思っていて、個人的な事柄を書いたりやったりするのは全然いいんですけど、それが社会的な問題や人間の普遍的なものへと繫がっていくパターンと、「それ、お前の問題ってだけだろ」で終わっていくものがあるんでそこの線引きは明確にしたい。と言う大きくいうとこの3つが指標です。

 「その作品が上演される今日的な意味」。絵画なら(例えばゴッホ)作家が死んでいても時代を超えて評価をされることはありますが、演劇は(資料映像や戯曲は残ったとしても)目の前に居るお客さんに対してしかアクションできない形態です。だとするなら、「この上演は私たちにとってどんな意味があるのか」と言ったことは最も大切なことだと思います と言ったようなことを出し合っていくことで、段々と作品を語る土壌が形成されていけばいいな、と。

bottom of page